あの音が聞きたくて
「オーダーダーダーヂーヂー」

と手を合わせながらリオンは言った。
おそらく
「ごちそうさま」

と言っているのだろう。

その後、「ダーダー」
と健治に抱き着き、
パパと一緒にお風呂に入り、

「アーアー」と麻衣に話し掛け

ママと一緒の布団で寝た。

「うまく喋れないだけで、
しっかりと音が聞こえているのではないか?」

家族の誰もがそう思った。

しかし、この答えを知っているのは
リオンだけであり、
リオンにしかわからない。
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