あの音が聞きたくて
いつものように、
助手席に設置してある
チャイルドシートにリオンを乗せ
病院ヘ向かう。

「オーウーイーン」

リオンが大きな声を上げる。

アンパンマンの歌が好きなリオンは

車の中でその曲が流れると

首を左右に降って楽しそうに踊っていた。

しかし、今日のリオンからはそんな様子がない。

「リオン、アンパンマンの曲よ!」

麻衣が話し掛けてもあまり反応がない。

「今日は、何か様子がおかしいな。」

さすがに麻衣もおかしいなと思い始めた。

病院で先生に相談してみよう。

そう思っている間に車が病院に着いた。
< 5 / 133 >

この作品をシェア

pagetop