あの音が聞きたくて
「アッ!危なかった!」

幸いなことに二人はまだ
お風呂に入る前だった。

リオンが暴れてなかなか
服を脱ごうとしないので
健治は脱衣所でてこずっていたのだ。

「危なかった、まだ入る前やから
麻衣、外してあげて。」

(もう、しっかりしてよ。)

心の中で叫びながら、リオンの補聴器を外す。


気がついて本当に良かった。
パパとお議母さんにも
取り外し方を教えなければ

麻衣は改めて片時も
病気のことを忘れては駄目だなと反省した。
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