あの音が聞きたくて
ケーキの上にろうそくが立てられた。

麻衣がろうそくに火を付け
部屋の明かりが消された。

皆が手拍子を叩きながら
「HAPPY BIRTHDAY」
の歌を歌う。

リオンも周りを真似して
手を叩く。

皆の歌声は彼にははっきりとは
聞こえていないが
何か音を発していることは
かろうじでわかった。

そしてそれが、自分自身に
向けられていて、楽しいことであることは
理解できた。
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