あの音が聞きたくて
その日、リオンは一日中笑っていた。

彼の中で止まっていた
「幼児期を楽しむ」
という時計が再び動き出したようだ。

健治、麻衣がその姿をみて喜んでいる。

この先、リオンの人生を
どう楽しませてあげたら
いいのだろうか?

そのことだけが両親を悩ませた。

そして、この日から、
麻衣と健治は手話の勉強を始めた。
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