いつか王子さまが
一目惚れは突然に
咲子は最近、うつむきがちに歩くようになった
何故なら、会社からの帰り道、コンビニ袋をぶら下げて歩く自分が一人ぼっちの独身街道まっしぐらなOLにしか見えないと思いこんでいるからだ。
実際は誰一人、取り立てて美人でもない咲子のことなどきにもしていないのだが…。
『花村くん、君の同期の中田さんだけどさ、やっと寿退職だってねぇ~。いやあ、花村くんは続く予定はないのかなぁ、なんて思ってさ。ガハハ!』
あのとき、本当に咲子は人に対して殺意を覚えた。
一緒に退職まで頑張っていこうね♪なんて言っていた最後の同期にも見捨てられ…手に職があるわけでもない自分。
恋なんて、そんなに簡単じゃないし。
世の中には、おひとりさまなる言葉もあるらしいが、いまの咲子には独身であることを気にしてないふりをする痛々しい言葉にしか聞こえない。
「はぁ~」
明日は休みだというのに咲子の気分は晴れない。
どうせ行くとこなんかないのだから。
何故なら、会社からの帰り道、コンビニ袋をぶら下げて歩く自分が一人ぼっちの独身街道まっしぐらなOLにしか見えないと思いこんでいるからだ。
実際は誰一人、取り立てて美人でもない咲子のことなどきにもしていないのだが…。
『花村くん、君の同期の中田さんだけどさ、やっと寿退職だってねぇ~。いやあ、花村くんは続く予定はないのかなぁ、なんて思ってさ。ガハハ!』
あのとき、本当に咲子は人に対して殺意を覚えた。
一緒に退職まで頑張っていこうね♪なんて言っていた最後の同期にも見捨てられ…手に職があるわけでもない自分。
恋なんて、そんなに簡単じゃないし。
世の中には、おひとりさまなる言葉もあるらしいが、いまの咲子には独身であることを気にしてないふりをする痛々しい言葉にしか聞こえない。
「はぁ~」
明日は休みだというのに咲子の気分は晴れない。
どうせ行くとこなんかないのだから。