いつか王子さまが
「僕は田中洋といいます。獣医を目指してるんですが、いきものやさんの動物もよく見せてもらってるんです。」
咲子が見上げている彼は、咲子の部屋の斜め向かいに住んでいた。
そういえば挨拶くらいしたことある気がする。
プリンスにぴたりとくっついて離れない白いウサギは、プリンスが咲子の手に渡った途端に元気がなくなり、田中くんが様子を見るために連れ帰ってきたのだ。
「ここを通った途端にゲージから飛び出したんで何事かと思いました。」
いきものやさんにいる間、二匹は常に寄り添っていたのだがプリンスが外に並んでいた時、白ウサギはワクチン注射をしていていなかったのだという。
「店では、どうせ別れる運命ってことで二匹をロミオ&ジュリエットと呼んでました」
「わたしが引き裂いちゃったんですね」
咲子が溜め息まじりに言うと、田中くんは慌てて
「いや、その、どっちにしても無理ですし…。とにかく原因は分かったんでジュリエットをとりあえず店に戻して説明してきます。」
田中くんの言葉が通じたかのように、二匹がビクンとし、近寄ろうとした田中くんをプリンスがグッグ!と鼻を鳴らして威嚇した
咲子が見上げている彼は、咲子の部屋の斜め向かいに住んでいた。
そういえば挨拶くらいしたことある気がする。
プリンスにぴたりとくっついて離れない白いウサギは、プリンスが咲子の手に渡った途端に元気がなくなり、田中くんが様子を見るために連れ帰ってきたのだ。
「ここを通った途端にゲージから飛び出したんで何事かと思いました。」
いきものやさんにいる間、二匹は常に寄り添っていたのだがプリンスが外に並んでいた時、白ウサギはワクチン注射をしていていなかったのだという。
「店では、どうせ別れる運命ってことで二匹をロミオ&ジュリエットと呼んでました」
「わたしが引き裂いちゃったんですね」
咲子が溜め息まじりに言うと、田中くんは慌てて
「いや、その、どっちにしても無理ですし…。とにかく原因は分かったんでジュリエットをとりあえず店に戻して説明してきます。」
田中くんの言葉が通じたかのように、二匹がビクンとし、近寄ろうとした田中くんをプリンスがグッグ!と鼻を鳴らして威嚇した