プリンセス*Magic



あたしが本気で落ち込んでいると、蒼維があたしの頭を撫でた。




「な訳ないでしょ?冗談だって」



「なんだあ…。リアルかと思った」




冗談だと分かった瞬間、あたしの口からは安堵の溜め息が出る。


スキンヘッドって…あたしもう生きていけないよ。




「あ…ここ!」



「へ…?」




蒼維が見上げた看板を、あたしもつられて見る。


そこはとてもお洒落な雰囲気の美容院だった。

高級感が溢れていて…あたしには似合わなさそう。




「さ、入るよ!」



「こ…ここに?」




蒼維に服を引っ張られるまま、店内に入るあたし。


綺麗な美容師が来ると、蒼維はあたしを指差して「この子をとびっきりかわいいショートにしちゃってください!」と自信満々に言った。




.
< 13 / 30 >

この作品をシェア

pagetop