プリンセス*Magic



戸惑いながらも、また店員さんにされるがままのあたし。


視力検査をして、コンタクトの入れ方を教わり、自分にあったコンタクトをしてお店を出たのは、ショッピングモールが閉店する間際だった。



あたしの横を歩く蒼維は上機嫌。

コンタクトを付けているあたしは、目の前の世界に感動していた。




「コンタクトって凄いなあ…」



「でしょ?

あたしもコンタクトなんだけど、全然眼鏡よりかは楽だもん」




そう言って笑う蒼維の横をあたしは歩いている。


なんだか…蒼維の隣を堂々と歩けている自分がいる。



少し前までのあたしは、蒼維の隣を歩く事を躊躇っていた自分がいた。

なんだか自分が劣って見えて。



だけど、今のあたしは何かが変わった気がする。


髪を切って、眼鏡を取っただけだけど、何かが楽になった気がした。




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