プリンセス*Magic



翌日。

あたしは恥ずかしさに堪えながら、出勤する為に駅のホームに立っていた。


周りから、やけにジロジロ見られている気がする。


人から注目される事に慣れていないあたしは、つい俯きがちになる。



だけど、あたしは蒼維からの言葉を思い出し、意を決して前を向いた。




昨日の帰り際、蒼維から言われた言葉があった。


―――「自信を持って。

背筋をピンと伸ばして、堂々と前を向くのよ?」―――




時折吹いてくる風に、あたしのショートボブが揺れる。


次に来る電車の中に、香川先輩が乗っている。




「頑張れ、あたし…」




そう呟くと同時に、ホームに電車が到着した。




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