プリンセス*Magic



あたしが降りる駅までは、まだ時間がある。



人に知らせるべき?

それとも我慢するべき?



必死に考えている間にもお尻を触る行為はエスカレートしていく。


口をパクパクさせていても、周りの人は気付くはずもなく時間が過ぎていく。



もうダメだ。

そう覚悟をした時―――




「何してるんですか?」




あたしのお尻から奇妙な感触が消え、聞き覚えのある声があたしの耳を通り抜けた。


その声の持ち主は、あたしが変わろうという決心をさせてくれた、香川先輩だった。




「何だよお前!」



「それはこっちの台詞ですよ。アナタ痴漢してましたよね?」



「な…!」




オジサンは香川先輩の言葉にあたふたしていた。




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