プリンセス*Magic
今どき、こんな外見をしたハタチが世の中にいるのだろうか、と誰もが考えたくなるほど地味なあたし。
だからか、さっきの同僚みたいに雑用を押し付けてられることもしばしばある。
誰もが、ある意味一目置いている存在。
それがあたし、有末 詩音だった。
「有末さん、早くコピー済ませてよ?
あたし、そのコピーが終わらなきゃ、香川先輩とお昼食べに行けないんだから」
あたしがボーっと突っ立っていると、さっきの同僚があたしに口出しをしてきた。
あたしは無言でコピー機へと向かう。
後ろからは、「早くやってね」と文句の嵐。
「…だったら、自分でやれば?
あたしはアンタのおもちゃじゃないんだから…」
そんなあたしの文句は、コピー機の雑音によってかき消されていった。
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