プリンセス*Magic



結局、痴漢をしたオジサンは次の駅で駅員に引き取られた。


被害者のあたしと、助けてくれた香川先輩も一緒に駅を降りて、次の電車を待つ。




「あの…ありがとうございました」




あたしは香川先輩に対して、思い切り頭を下げる。




「そりゃ助けたくもなるよ。俺の可愛い部下が痴漢にあってるんだから」



「そんな、可愛い部下だなんて………って、え?」




今…あたしの事、「部下」って言ったよね?


あたしは急いで頭をあげて香川先輩の顔を見た。




「分からない、気付かないと思ってたりするでしょ、有末さん?」



「…なっ!」



「一目見て分かったよ。有末さんなんだって」




そう笑う香川先輩は、あたしの髪の毛を触ってきた。




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