プリンセス*Magic
「本当に可愛くなったね」
「そ…そんな…」
これは夢だろうか。
あのイケメン上司が、あたしの髪の毛を触っている。
その事実だけで、あたしは顔が真っ赤になった。
「なんで変わったの?」
「そ…それはっ!」
あたしは口をパクパクさせる。
言える訳ない。
…アナタの為ですって。
「えっと…」
秘密です、そう言おうとしたあたしの口を、咄嗟に封じた。
あたし…自分自身を変えようとして、ここまでやったんだ。
変わるのは外見だけじゃなくて、内面もだよね…?
折角の二人きりのチャンス。
無駄にする訳にはいかない。
あたしの努力にかけて。
.