プリンセス*Magic
「これコピーです」
「ありがとう、さすが有末さんね。
じゃ、あたしはお昼行って来るから」
濃い目のメイクをした同僚は、嬉しそうにあたしから離れて香川先輩の元へ。
「香川センパーイ!
仕事終わりましたぁ!!」
「了解。
山崎さんは先に行ってて」
「分かりましたぁ!
早く来てくださいね?」
…上目使いで香川先輩を誘惑する同僚。
あたしは職場を出て行く彼女をジッと見つめていた。
「有末さん」
「は…はい!!」
いきなりの事で声が裏返りそうになったあたしは、落ち着きながらゆっくりと後ろを振り向いた。
そこには、さっきの同僚と仲良く会話していた、香川先輩がいた。
.