プリンセス*Magic



あたしは高鳴る胸を押さえながら、お昼をとる為に早足で職場を後にした。



ドキドキと鳴り止まない心臓。

熱を持ち始める頬。


あたしはそっと眼鏡に手を掛けた。




…周りには秘密だけど、

こんなあたしも香川先輩が好き。



毎日通勤する為に利用する電車の車両が同じあたし達。


初めて香川先輩を見た時、言葉では言い表せない程の衝撃が走ったのを、今でもちゃんと覚えている。



あたしを見て欲しい。

他の人と話さないで欲しい。



嫉妬に近いような感情が浮き出てくるけど、周りの同僚達の言う通り、あたしは香川先輩に相手にされていない。


それはたぶん…この外見が原因。




.
< 5 / 30 >

この作品をシェア

pagetop