俺様王子の秘めゴト
そうして下心ありありで王子の手から受け取ると皆に見せびらかした後、さばこうと思い早速左胸に着けた。











そう、着けてしまったのだ。










地獄のバッチを。









「着けたな?」









ん?








王子の声のトーンが突然落ちる。









「そりゃ、頂いたんですから着けますけど何か?」







まぁ即売りだけど。









「お前…馬鹿じゃね?」








そこで突然言われた。




ばっ…








「馬鹿って…」

「そのバッチは契約バッチだ。」









…………はぁ~~~~~!?









「生徒会業務が忙しくてな、が、その割に人員不足なんだ。だからだ、今年度より新制度を導入した。」










へ…?何それ。









「生徒会役員が自分の補佐を作る制度。」






意味…分かんないんですけど…。








「つまりはだ、役員がバッチを渡し、相手がそれを受け取ると私は貴方を手伝いますよーっていう制度だ。」










………はい?









「お前、入学式出なかったのか?」









いや…出てたんですが途中で抜けっ……。









あの時の茜の言葉を思い出す。








『それがっ…』





もし…その後の話がこれだったとしたら…









「まぁいい、喜べ姫谷 華南。お前は俺様に選ばれた、今日からお前は俺の犬だ!!」










そう指差される。








い…嫌だー!!!!!!!


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