俺様王子の秘めゴト
なんでそんなことで怒鳴られなきゃいけないの!










内心涙目で叫ぶ。










「華南。」

「はいっ!」










気づいたら、魔王は私の目の前に来ていた。









なっ…何?









今度は何?









ブルブルと仔犬のように震える。









ガシッ…―










…………へ?










頭を掴まれた。









なっ…何故?










「華南、お前何勝手に帰ってんだよ!!」









わっ…わっつ?









顔が強ばる。









変な汗が出ながら顔はひきつり笑顔。








恐怖で笑うしかない。










鬼のような形相な魔王。






なんでって…言われても…。









汗が………。









「俺、文化部の予算報告書持ってこいっつったよな?」









……………。










えっと……。









「……はい?」









恐れ知らずも良いところ。








耳をそばだてて再度聞いてしまった。








ガンッ…―









「っ…たぁ~」









殴った?!









魔王は私が聞き返すとなんと、グーで頭を殴ってきた。








当然頭を抱え込む私。








この人、女の子に…しかも仮にも部下に、後輩に手ぇあげやがった!!









信じらんない!!

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