俺様王子の秘めゴト
「これ、お願いします。」










真波先輩の机の前。









魔王から渡された書類を渡す。








「あぁ…ありがとう。」










他の書類に目を通していた先輩は顔を上げると微笑んだ。









「あのっ…」









書類から手を離し再度声をかける。







「ん?」









顔を書類に戻そうとしていた真波先輩は再び私を見、微笑む。









「どしたの華南ちゃん。」








優しい真波先輩。









奴とは大違いだ。









「昨日は…すみませんでした。」








昨日、先輩に抱きついてすみませんでした。








昨日、先輩のシャツを濡らしてすみませんでした。








その両方の意味を込め、謝る。








真波先輩は、嫌な顔せずずっと側にいてくれた。








それが申し訳なく、きっと先輩は無理矢理付き合ってくれてたんじゃないかと思っていた。









だけど実際はそんなことはなく、予想もしてなかった答えが返ってくる。









「う~ん…全然気にしてないから!!!」









そう笑う真波先輩。









やっぱり優しい。









「おいはな!!」









そう思うもつかの間だった。

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