俺様王子の秘めゴト
「ごめんね、昼休み中悪いんだけど華南ちゃん…いるかな?」









バレないようにそぉ~っとベランダへ出る。







真波先輩、生徒会辞めたのにまだ名前で呼んでくれてるんだ。







「姫谷さんですか?姫谷さんならあそこにっ…あれ?」







ベランダからそのまま2クラス先の教室へ逃げ込む。








絶対に見つかるな。







見つかったらどうなるか。








考えたくもない。








身を屈めたまま廊下を覗く。








人だかり。







の奥から先輩達の声が聞こえる。








「華南ちゃん、何処いったか分かる?」






「いえ、…さぁ?」


「さっきまで教室にいたんですけど…。」







よし。







バレてないのを確認し、そのまま教室から出て忍者のように一目散に逃げる。







向かうは数学準備室。









何故か。







答えは人気が一番ないから。






校舎の一番端だから。




それから…。








「はぁっ…何やってんだろ…。」








準備室に逃げ込み、ドアを背にしてしゃがみこむ。





なんでこんなことになっちゃったのかなぁ。






なんて考えてると

「華南、何?また千堂に追われてるのか?」





声をかけられる。








かけた相手はこの部屋の主。








「別に。」


「茶、飲むか?」








そして私の兄。
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