俺様王子の秘めゴト
自分でって…。





「人に意味深なこと言っといて答え言わないとか最悪!!」





ドアから離れ、英にぃに近づく。





「ん?俺はな、めんどくさいことが大っ嫌いなの。華南もしってるだろ?」





しってるよ。






だから英にぃは数学を選んだ。






ややこしくない、数式さえ覚えてしまえばあとは簡単に解ける。





絶対に裏切らない。






英にぃの好きなもの。




お茶と機械と数式。





単純明快で答えが常に一つしか無いもの。






「と言うわけで俺は今から会議だ。」





…はぁ?






「何をもってそうなるんですか?」





ため息をはく。





「お前今日うち来るんだろ?」



え?



立ち上がりながら言う英にぃに首を傾げる。



「親父。」





あぁ。



「行くよ。」



「じゃぁ待ってろ。」



そう言って鍵を手渡された。




「ん?」





「車んなかにいろよ、めんどくさいから。」




二言目にはめんどくさい。



「…てかこれここの鍵だし。」




それが兄、新庄 英。




「……わりぃ、今日背広職員室だわ。」


「珍しく白衣なんて着るかぁ。」




部屋を出ていこうとする兄の腕に絡みつく。




「…ウザい。」


「酷い。」




そしてそのまま二人で教室をでた。




「華南、本気で歩きづらい。」





数秒後、英にぃが嫌そうに話すまで。


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