俺様王子の秘めゴト
「…ほら。いいな、めんどくさいから必ず…」

「車の中にいます。」






むしろ後部座席で寝てます。






職員室前で。




英にぃが車の鍵を持ってきて私に渡す。



「…よし。悪いが7時位までかかるかも知れないが大丈夫だよな?」





大丈夫って言われても。
別に…なんだけど。




「はいよ、適当に時間潰す。」


「ん。宜しく、じゃぁな。」






そうして英にぃは私の頭をわしゃわしゃと撫で、会議室へ向かっていった。






「…最悪だ。」




髪の毛ぐちゃぐちゃ。



くそ兄貴。






髪を整え直しながら私も職員室から離れる。







しかしまぁ。





よくバレないものだと思う。



英にぃと私の関係。





別にやましいものは何も無いからバレても問題は無いのだが、全然バレてない。






こんだけ校内でイチャイチャしているのにも関わらず、だ。






「…謎ですなぁ。」


「俺は君が生徒会を辞めた理由が謎だがね。」







ドキッ…-




背後からの声、その声に固まる。






やっべっ…。




見つかった…。



恐る恐る振り返る。





「…なんだ、元町先輩。」




と、そこにいたのは魔王でも真波先輩でもなく。



あゆ先輩や三郷先輩でもなく。



元町 敬吾[モトマチ ケイゴ]先輩。




生徒会役員、会計。




「俺で不満か?」


「いえ、滅相もございません。」





むしろ元町先輩で良かったよ。



内心胸を撫で下ろす。


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