俺様王子の秘めゴト
「華南、あとで話があるから来なさい。」



ゔぅ…。



怖いなぁ、お父さんの呼び出し。



お父さんはそれだけ言うと去っていく。



「話って何だろうね!」



あゆ先輩…そんな簡単に言わないで下さい。



まじで怖いんですから。



「はぁ。」


ため息をはく。



玖城先輩のせいでほとんど癖になってしまった。



「あ、そだ華南ちゃん。一通り会場内見せてもらったんだけどさ、あれ、何?」



ん?



そうして指さされたのは水花の作品だった。



「別に、普通に睡蓮と菖蒲を活けただけですが?」


「へぇ、あれも活けたうちにはいるんだ。ただ花が浮いてるだけしか見えないや。」



……それでも部長か?



「それよりもあっちの方が好きだなぁ。ウエディングブーケ?大輪のダリアが栄えるね!!」


……。


「ブーケのように見せてるんです。」


てか明らかにブーケより大きいし。


基本、個展に出してる花は全て四方見にしてある。


つまり、どの角度から見ても裏がないと言うこと。


もっと簡単に言うと背景を壁などにして隠す必要がないと言うこと。

けど、ブーケの場合、三方見が多い。


「ふ~ん、綺麗だね。」


ホントにこの人、華道部部長なのか?


ちょっと疑ってしまった。

「ほんと華南ちゃんって凄いんだね。一年の頃は部活月の半分しか来なかったし、来ても剣山使って簡単な作品しか作ってなかったからここまで出来るなんて思ってなかったよ!!」


2年になったら玖城先輩の補佐なんてやらされる羽目になって部活処じゃ無かったし。
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