俺様王子の秘めｺﾞﾄ

「姫谷 華南[ﾋﾒﾔ ｶﾅﾝ]さんって、このｸﾗｽ?」














・・・・・。












ん?











「あそこです!!」







クラスメイトが指をさす。














おいおいおいおい。












その瞬間、私の眠気はふっとんだ。












びっくりした顔で彼を見る。










「姫谷 華南さん…だよね?」











笑顔で声を掛けてくる彼。














「そう…ですけど…」












自分の名前。






姫谷 華南とは私の名前。












学園王子がわざわざ教室まで来て何を企んでいる?













怪訝な顔になる私に対し、彼はさっきからずっと変わらない爽やかな笑顔だった。











それが尚更恐さをます。













「後で、生徒会室まで来てもらって良いかな?」













は?











言われた言葉の意味が理解出来ず眉を寄せる。











隣りを見ても茜もびっくりとした顔のまま固まっていた。