俺様王子の秘めゴト
「それって…。」



俺の代わりに圭が聞いた。



「ま、そういうこった。」



新庄先生は立ち上がりぽんっと俺の肩を叩くと会場内に戻っていく。



「啓志、どうするんだよ。」



そういうことってつまりはそういうこと…?



新庄先生と華南は付き合ってる…?



「おい啓志!!」



ぎゅっと握った拳の力を更に強めた。



「ぜってぇ認めねぇ。」



新庄と華南が付き合ってるだと?



そんなの許さねぇ。



「啓志?」

「お前もだよ圭。」



そのまま圭を睨む。



「は?」


「お前にも新庄にも華南は渡さねーからな。」



譲る気なんかさらさらない。



ぜってぇ取り戻す。



俺はこの時自分を恨んだ。



なんで華南を自分から手を放してしまったのか。



何故解雇してしまったのか。



「やっと本気になったか。」



は?



圭が呟く。



「いつまでたっても煮え切らない啓志に苛々してたんだよね。」



は?



そう悪戯に笑う圭。



…まさか!



「お前さっきのセリフ…」

「大丈夫、啓志から取ろうと思ってないから。」



このっ…。



「本気を出した啓志は怖いからなぁ。」



とんだ狸だよ。



ははっと苦笑すれば圭は楽しそうに笑った。



「さて、そろそろ戻りますか。」



ため息を付き元町が言う。



「だな。」



それに続いて三郷が言うと二人は先に歩き出した。



「ま、相手は手強いけど頑張って!!」



圭のその言葉に頷く。



分かってるさ、なんだって相手は…


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