風をつないで
第1章

穏やかな時

2005年。

高校生2年生になった私、
〈清水奈緒子〉は何の変わりもなく毎日を過ごしていた。

強いて言えば大人っぽい服がちょっと似合うようになったくらい。
身長は154cmで低い方だし友達には幼いって言われる。


一方、彼、〈松浦浩斗〉は、
陸上の短距離の県大会で2位になるくらいの選手になっていた。



私たちは同じ、県立の高校に通い、
何ごともなく穏やかな時を過ごしていた。



あと半年したら浩斗は卒業する・・・
そう思うと寂しかったけど、自分では充実した時間を送っていた。




だから、これから何が起きるかなんて考えたこともなかったし、
考えたくも無かった。


浩斗の優しさに甘えている自分が当たり前だと思っていたからかな?




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