あおい。あおい。
校門にいたのは裕真だった


「いきなり公園に来なくなるし、アドレスもかわってるからなんかあったかと思ったわ」


目の前には変わらない裕真の笑顔



「なんもないよ…」

精一杯の笑みで答えると
彼の笑い声がやんだ


隣から視線を感じる
裕真が見てるのがすぐわかった…

あたしは俯いたまま黙った



「バレンタイン」


彼の言葉で一気に鼓動が高鳴る


「あの日……公園にいた?」




「…いないけど」


「ほんと?」

裕真はしつこく何度も問いつめてくる



「バレンタインの日は彼氏とあってた!」

あたしはとっさに嘘をついてしまった

「えっ」


いきなり顔を上げ
裕真は驚いた顔をした

「恥ずかしいから言いたくなかったんだよね。バレンタインに告白してさ、付き合う事になったの」


自分でも不思議なほど
次から次へとすらすら嘘が出てくる


「そうなんだ」



ちょうどその時
クラスメイトの那波が横を通りかかった

「この人があたしの彼氏!」

那波を引き止め裕真に紹介する

「古屋っ?!」

いきなりの出来事に那波も混乱しているようだ


「ほらっ帰ろ!じゃあね裕真」


ぐいっと那波と手を引っ張り
裕真のそばを離れた
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