あおい。あおい。
「那波…もう良いからさ。」


笑顔でポンと彼の肩を叩く

「でも……」

本当に申し訳なさそうな顔をする那波。
昨日は確かに頭にきたけど
もういいんだ……


「那波のおかげで…決心ついたから」


「え……」


「あたし…裕真の事…本当に忘れる」



じわっと涙が溢れてくる。


「もう…意味ないもん。彼女を想う裕真を好きでいるほどあたしは強くない」



この涙が枯れれば
きっとあたしは

あなたを忘れる事ができる


裕真を想ってなくのは
最後にしよう




那波は隣でそっと頭を撫でてくれた


彼の優しさに甘え
まゆは声を出して泣き続けた
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