【続】不良star(完結)
「おいっ!!!
やべーって、竜逃げっぞ!!」
俺に向かって陽が叫ぶ。
「・・・・。」
「竜っ!!!!」
「・・・・。」
自分のしてしまったことに絶望を
感じた俺はその場に、立ち尽くしていた。
そもそも、『ヤミ』は人を意味無く
傷つける
ためなんかにあるものではない。
走りたいから走る。
喧嘩したいから喧嘩する。
傷ついたからつけ返す。
どんな不純な理由だとしても、
必ずそこには“理由”が存在していた。
「くそっ!!行くぞ!!!」
陽が、無反応な俺に少しキレた様子で
手を無理やり引っ張った。
「・・・・轢(ひ)き逃げかよ(笑)」
すると、静かに笑いを含む声が
背中から聞こえた。