人間ペットショップ

店員が勧めたのは左の一番若い人だった。

「若いヒトというのはなかなか手元に残ってはいないんですよ。皆さん自分色にペットを染めたいですから人気がありましてね。」
「は、はあ…」

さちは良く分かったような、分からなかったような、曖昧な感じに答えるしかできなかった。

「じゃぁ…この………人…を下さい。」「こちらでよろしいですか？」
「……はい。」

さちの返事を聞いた後、店員は閉めていた扉を開け、

「では、こちらへ来て契約書を書いていただけますか？」

………契約書？いったいなんのだろう？
さちは疑問に思いながら店員に続いた。

「こちらにかけてお待ち下さい。」

さちは入り口の近くにあるソファーに腰掛けた。向かいにはガラス張りのテーブルがあった。

数分も経たない内に店員が彼女の前に現れた。一枚の紙を持って…