人間ペットショップ
「うっそぉ……」


さちは、テーブルの上に並べられた料理を見て、思わずそう言った。


な、なんであの材料からこんなもんができるのよ?


テーブルの上には、とても残り物を寄せ集めて作ったとは思えない料理がずらりと並べられていた。

「どうした?食べないのか?」
「…食べるわよ。」
不服そうに言うと、さちは席に着いた。

…まだ、美味しいかどうかは分からないわ。こいつの評価はそれが分かってからよ…


パクッ





「……美味しい。」
さちは、自然とそう呟いていた。

「そうか、それは良かった。」

彼女の反応に満足したコウジは、手を合わせ、自分も食べ始めた。


さちは、彼を恨めしそうに見ながらも、箸を止めようとはしなかった。
< 28 / 56 >

この作品をシェア

pagetop