人間ペットショップ
人…？、一体どういう意味なんだろう？
さちは考え込み、その問いに答えず、店員の方をマジマジと見た。

４０歳ほどの男で、髪は短めに刈り上げられていた。服装は、上は緑のＴシャツに下は黒みがかった青のジーンズ、そして青いエプロンをしていた。体は少しだけ太って見えたが、顔は小顔で、二重顎でもない。

若い頃はカッコ良かったんだろうなぁ…
さちは、そんなことをふと考えた。

いつまで経っても答えない彼女をよそに店員は続けた。

「…最近、やっと新商品が入荷しましてね。お客様はたいへん運がよろしい。若いのはなかなか手に入りません。少しご覧になりますか？」
「え？…えっと…」
彼女はまだこの店員のペースに追いつけずにいた。だが、その間を店員は勘違いしたらしく、

「あ、すいません。お客様は、年下には興味がございませんでしたか…。でしたら、こちらへどうぞ、きっとお気に召すはずです。」

と、続けた。
そして歩き出そうとする店員を呼び止め、さちは尋ねた。
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表紙・目次

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