人間ペットショップ
食器を洗い終え、リビングに行くと、コウジがソファーにもたれてテレビを見ていた。


さちが、ため息をつきながら隣に座ると、コウジは何気なく彼女の肩に手を回してきた。

彼女はイライラしながら言った。

「ちょっと、何してるの?」

それを聞いたコウジはテレビから目を離し、さちの方を見た。

「ん?何がだ?」
「何がだ?…じゃないわよ!…手、どけてくれない?」
「そう邪険にするなよ。」


そう言いながら顔を近づけてくるコウジ、二人の唇が当たろうかという時、


「何考えてんのよ!」

そう言って、さちは立ち上がり、コウジと距離を取った。


「…サイッテー!」

さちは、そう叫ぶと玄関に向かい、部屋から出ていった。


んもー、マジで頭にきた。なんなのよ…アイツ、信じらんない!ああーっ!もうっ!最悪っ!



彼女の頭が怒りでいっぱいになりながらも向かった場所……そこはあの角だった。
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