人間ペットショップ
次の日、会社から帰ってくると、さちはあの角に立っていた。


昨日はどうして入れなかったのかな…?そのことも芝樹さんに聞いてみよう。


彼女は、深く息を吸った後目を瞑って、角を曲がった。



彼女が目を開けると、またあの光景だった。周りは霧に包まれ、後ろは崖、そして前には…あの店だった。


…今度は入れたみたいね。


彼女は、一呼吸つくと店に向かって歩きだした。


「いらっしゃいませ。」


彼女が部屋にはいると、芝樹がすぐさま反応した。

今日は最初に見たときと同じ様な格好で、上は黄色のTシャツ、下はジーンズというものだった。そして、エプロンをしていたが、少し汚れていた。


「お客様、わざわざご足労頂いて申し訳ありません。」


そう言って、芝樹は頭を下げた。
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