人間ペットショップ
「あなた、タカユキね」
「は?」


芝樹の元から離れ、さちのマンションの前に来ると、彼女は言った。


「あなたの名前よ……名前!」
「あぁ、そういうことね。わかった。」

タカユキは素っ気なく答えると、


「中に入ろうぜ…寒ぃよ…」


と言って、スタスタとマンションの中に入っていった。


そんな彼を見送りながら、さちは、


「はぁ…コイツも結構自分勝手ね。」


と言って、彼を追った。
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