人間ペットショップ
「ふむ…君がタカユキ君かね?」
「は、はいっ!」

タカユキは急に、忠正から話しかけられたため、体を強ばらせて答えた。

その様子を見ていたさちは、テーブルの下で見えないように、タカユキの足をつねった。

「いっ!」


「「いっ?」」

タカユキの声にさちの両親が同時に反応した。

「な、なんでもないです。」

タカユキは痛みの残る足をさすりながら、ジト目でさちを見た。


ふ~ん、しっかりやらないからよ


さちは、我関せず、な態度を取って前を向いていた。



「あ~おほんっ!」
忠正が咳払いをすると、タカユキも正面を見据えた。

「さち…おまえ、前の彼氏はどうした?」
「父さんが理由で別れました~」


さちが、しれっとそう答えると、文恵は小さく、こらっ、といさめた。

「あ~おほん。では……タカユキ君……二、三質問してもいいかな?」
「は、はい!」


どうか上手く行きますように!
さちはテーブルの下で両手を合わせ目を瞑った。
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