人間ペットショップ
「…………うむ。」

それから数十分話した後しばらく黙っていた忠正が小さく、うなずいた。

「父さん?」

さちの問いを無視して、忠正はタカユキに向かって話し始めた。


「タカユキ君…」
「はいっ!」

結局、タカユキは終始この調子だった。

「ろくなやつじゃないが…うちの娘を頼みます。」

忠正はそう言って頭を下げた。それを見た文恵も穏やかな笑みを浮かべて頭を下げた。

「「えっ?」」

さち達は同時に叫ぶと、互いに顔を見合わせた。





それからはずっと和やかに会話が進み、帰る時には、さちは大満足といった感じだった。
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