運命のヒト
大阪に行くのが嫌なわけじゃねぇよ?

ただ、俺には水嶋がいるから・・・。

水嶋と離れたくなんかねぇから。

今すぐに大阪に行かなきゃいけねぇってことじゃねぇけど、ただでさえ仕事と学校で別々だし、少しでもそばにいたいと思うから。


ここから大阪は3時間もかかる距離だしな。


仕事と学校。

その距離でさえ、俺には遠く感じて不安で仕方ねぇのに、大阪なんて行ってられねぇよ。

だから、大阪の話は保留にしてもらった。


家に帰って、お袋におっちゃんの会社で働くことになったと伝えた。

お袋はそのことに反対なんてしなくて、むしろ大賛成だった。


親父にも話した。

親父も俺を応援してくれた。


親父もお袋も、おっちゃんのとこで働く俺を応援してくれた。



今日は気分よく眠れそうだ。


水嶋とやっと気持ちが通じ合えたし、おっちゃんの会社で働けることになったし。


昨日は緊張と不安で全然眠れなかったからな・・・。


いいことが続くと今度は悪いことが起こるんじゃねぇかなって思った。


幸せと不幸せは紙一重って言うしな。

だけど、そんな心配は何もねぇよ。

俺には、水嶋がいるし・・・。


だから、これからもきっといいことばかり起こるはず。


そう思って俺は、深い眠りについた。

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