運命のヒト
昨日と同じで、今日も朝早く起きて学校に来た。


健二も昨日言ってた通り、早く来てるし。

何で、お前まで早く来てるんだよ?

・・・別に健二は関係ねぇのに・・。


水嶋は小田に指輪を見せびらかして浮かれてるし。

なんか、こっちが恥ずかしくなるんだけど。

でも、そんなに喜んでくれてると俺も嬉しいけどな。


こんな普通なことが幸せって感じる俺って、変なのか?

今まで感じたことなんてねぇよ、こんな気持ち。


健二が水嶋に近付きこんなことを言ってる。

「何や、今日は指輪、見せびらかして
 こんのかぁ~?」

その言葉に対して、水嶋は・・・。

「何、見せびらかしてほしかったの?」

やっぱ、冷たいし・・・。

俺も、それに乗っかってこう言ってやった。


「水嶋、見せびらかしてやれって!!」

「ほら~、見て見て~!!」

水嶋は健二の顔に指輪を近づけてすっげぇ笑顔でそう言っている。


「もう、お前らのバカップルには
 うんざりなんじゃぁ~!!」

健二はそう言って、叫んでるし・・・。

「バカップルで何が悪ぃんだよ!!」

「いいじゃんねぇ~!!」

俺と水嶋は顔を見合わせて笑った。


健二が言うように、俺達はバカップルなのかもしれない。

俺、こんな風になってんの自分でも信じられねぇし・・・。


雅史達や神田は最近、俺らに絡んでこなくなった。

金森達は水嶋に謝って来たらしい。

「2年の子達に謝られた~」

水嶋がそう言ってたから・・・。


もうあいつらは、俺らには関係ない。

もし、今度何かあっても俺が守ってやる。


だから、大丈夫だ、そう思っていた。


< 114 / 177 >

この作品をシェア

pagetop