運命のヒト
「やめろって!!」

俺は照れ臭くて、そう言うと無理やり健二を離した。


「健二は教室行けよ?」

「俺も行かねぇよ・・・」

「はぁ?」

何で、お前はいっつも俺と同じようにすんだよ?

水嶋のことが心配なくせに、会いたいくせに、話したいくせに・・・。


「俺は優士と一緒におる。
 桃子は大丈夫や、何も心配はいらん」

「教室行きたくなったら行けよ?」

「そん時は、お前も一緒にな!」

俺、いつも健二に助けてもらってばっかりだよな。

腐れ縁だとかいつも言ってるけど、お前がいてよかった・・・。


教室には行けねぇけど、学校に来れば水嶋に会える。

直接言葉を交わすことはなくても、目が合うことすらなくても、一目見れるだけで、ただそれだけで十分。


やっかいなことに、俺と別れたことで水嶋はクラスの奴らからいろいろ言われてるみたいだ。

健二から話を聞いて、腹わたが煮えくり返りそうだった。


「あいつら、シメて来るわ!!」

「優士が行っても逆効果だろ?
 俺に任せとけ!」

健二はそう言うと、クラスの奴らのとこに行ってしまった。


健二、俺に任せとけって言っては水嶋のこといつも守ってきたよな?


金森達のこともお前が何かしたんだろ?


< 137 / 177 >

この作品をシェア

pagetop