運命のヒト
教室の前で仲良さげに話している水嶋と金森達を見かけた。


この前まで、いがみ合っていたもの同士がどうやったらあんな風に笑い合えるわけ?

俺には到底、理解できねぇ・・・。

やっぱ、女ってよく分からん。

だけど、水嶋は楽しそうに笑ってた。

俺まで自然に笑えたし。


俺も、あいつらみたいに水嶋と話してぇよ。

でも、それは許されねぇんだよな。

別れても友達?

・・・んなもん俺達には無縁だな・・。


しばらくすると、満足そうな顔の健二が戻ってきた。


「桃子はもう、大丈夫や!!」

その言葉、今まで何度聞いただろうな?

「わりぃな・・・」

「お前のためじゃねぇよ!」

・・・知っとるわ!!自分のためだろ?


健二と下駄箱にいると、一人の女が通り過ぎようとした。


「神田!!」

俺は思わず、呼び止めてしまった。

「・・・優士?」

横では、健二が心配そうな顔をしている。

「・・・?」


神田も俺に呼び止められて驚いている。


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