運命のヒト
「好きやのに、別れることってあるんか?」


・・・何で俺らは別れないかんかったんやろう。

俺は、やっぱり水嶋が好きで、別れたけど指輪は外せないことを翔兄ちゃんに話した。


「この指輪はお守りみたいな感じなんや。
 この指輪してたら、俺は大丈夫って
 思える」

「そっか、大事にしろよ」

「うん。ずっと着けとく・・・」

翔兄ちゃんに話してどこかスッキリした。



・・・・・短い幸せだった。

俺と水嶋が付き合ってた期間は3日間。

だけど、付き合っていた3日間には収めきれないほどの思い出がある。

水嶋と一緒に過ごした、一分、一秒が俺の記憶には確かに刻まれている。

話した内容も、いろんな顔も、夢見た未来も・・・。

今でも、何一つ忘れてなんてないし。

この先も、忘れるつもりはない。


今は水嶋の幸せを祈るだけ。

俺は俺のできることをする。

なんか、気持ちが落ち着いてきた。


悲しくなんてねぇよ・・・。

苦しくもねぇ・・・。


俺もちゃんと笑っていける。


そう思えるようになった。

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