運命のヒト
卒業式は、すごく長く感じた。

校長の話、今までこんなにちゃんと聞いたことなんてなかった。


卒業生代表のことば・・・。

それが、すげぇ俺の心に響いてきた。

ガラにもなくウルっときた。


体育館はみんなの泣き声や鼻をすする声で響いていた。


水嶋とは席が離れていて、あいつが泣いてるかどうかは見えなかったけど、あいつのことだからきっと泣いてるんだろうな・・・と思う。


一人一人順番に卒業証書をもらった。

これで、俺らは卒業決定だ。

もう、こいつらと一緒に過ごすのも終わり。

当たり前に学校に来て、こいつらと会ってた日々とも別れなきゃいけねぇんだな・・・。


そのまま、退場・・・。



在校生の列を歩きながら、俺は一人、3年間の中学生活を思い出していた。


水嶋と俺が一緒にいた時間は本当に短かった。

だけど、俺の中学生活の思い出はすべてがあいつだった。


あいつと過ごした時間が、俺にとって宝物でかけがえのない時間だった。


「優士君、おめでとう!!」

俺がそんなことを思いながら歩いていると、後輩達が集まってきて花束をくれた。

花束をもらうなんて初めてだった。


「仕事がんばって下さいね」

「おぅ!!」

俺が後輩と話していると健二がやって来た。


「優士~、そろそろ教室戻るみたいやぞ~」

「じゃ、行くわ!」


俺は後輩達と別れを惜しみながら、健二と一緒に教室に向かった。





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