運命のヒト
教室に入って、自分の席に座った。


俺の前には健二、斜め前には小田、そして横には水嶋・・・。

だけど、やっぱり俺は水嶋を直視することが出来なくて、ずっと健二と話していた。


卒業文集、それから卒アルが配られた。


・・文集・・・。


俺は、ずっと書けないでいた。

何を書けばいいのか分からなかったし、何を書くべきなのかも分からなかった。

だけど、そんな時、一番にあいつが浮かんだ。


俺は、水嶋に伝えたいことがあった。


一緒にいて楽しかったこと。

すっげぇ好きだったこと。

そして水嶋を好きな気持ちは今もこれからもずっと変わらないこと。


・・・それが伝わるように、俺なりに考えてなんとか書き上げた。


水嶋は俺の文集を読んでくれるだろうか?

そんなことを思いながら、俺は水嶋のページを探した。


水嶋は小田や大森達に向けてメッセージを書いていた。

それから、3年になって仲良くなった・・・。


これって・・・。


俺や健二のこと?

あいつはあいつなりに俺に何かを伝えようとしているのか?


そう思う俺は、自意識過剰なのか?

そう思いながら、しばらく文集から目が離せなかった。



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