運命のヒト
俺と水嶋がもたもたしてると、健二の
ドスの聞いた声が聞こえた。

「お前ら、さっさとせぇ!!」


こういう時に、よくそんな態度が出せるな。

「分かったっつ~の!!」

俺はそう言って水嶋の隣に並んだ。

だけど、微妙に距離がある。


「はい、チ~ズ♪」

楽しそうなのは健二、一人だけ。

「ほら、桃子のカメラも貸せ!」

今度は水嶋のカメラで撮るらしい・・・。


この撮影会はいつまで続くんや!?




健二がおちゃらけてくれたおかげで・・・
俺らは前のように話が出来た。

俺と健二、そして水嶋の3人でも
写真を撮った。


水嶋が小田を呼んできて、撮ってもらった。


小田は俺と水嶋を見て、よかったねと
言いたげな顔をしていた。


小田にはほんとに世話になった。


写真を撮り終えると、水嶋は嵐のように
去って行った。


話を切り出す間すらなかった。

さっきまであんなに普通にしゃべって
いたのに・・・。


水島は、俺と健二に『ありがとう』と
たった一言告げると、そのまま向こうに
走って行ってしまった。


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