運命のヒト
「お前、美鈴のこと裏切る気か?」

裏切るって何だよ!?


「俺は認めねぇからな!」

健二は俺にそう言い放った。

そして、そのままどこかへ言ってしまった。


「別に、お前に認められんくてもいいわ・・・」

健二が見えなくなった後、俺は心の中で呟いた。


水嶋のことが好きなだけなのに、何で分かってくれねぇんだよ!

健二なら分かってくれると思ったのに。


久しぶりに、健二とケンカした。



それから俺は、学校を出て町に向かった。


一人で、ほとんど毎日町に出た。


町に出ても、何もすることがなかった。

することといえば、ケンカ・・・。


学校もサボって・・・。

町に来ても、ケンカばっかで・・・。

俺には、そんなことしかすることがなかった。


こんな俺じゃ、あいつと釣り合ってねぇよな。



「おっ、今日も一人か!」

俺が一人、途方に暮れているといきなり、でかい奴がやって来た。

こいつは、たぶんタケル。


「んなこと、お前に関係ねぇだろ!」

俺が言い返しても、タケルはただ鼻で笑うだけ・・・。


強いってのは分かってるけど、マジで、ムカツクんだよ!!


今の俺にはそんな態度がよけいにムカツク。



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