運命のヒト
おっちゃんには二人の息子がいる。


翔兄ちゃんと俊介兄。

二人は俺のいとこ。

翔兄ちゃんは美容師、俊介兄は今大学生で、大学卒業後は会社員になるらしい。


おっちゃんの息子達は、誰一人おっちゃんの後を継ぐ道を選ばなかった。


ただ、何の夢もない俺がおっちゃんの後を継ぐことになった。


中卒の俺にしてみれば、すげぇラッキーな話なんだけどな・・・。

社長なんてなりたくてもそう簡単になれるものじゃない。


その道のりは果てしなく遠いけど、こんな俺にも叶えたい夢が出来た。



仕事は、普通に楽しくやってる。

案外、向いているのかもしれない。


大阪に来て、一番初めに仲良くなったのが、正だ。


年は、俺より3つ上だけど、そんなこと関係なく俺達はダチになれた。


正といると、健二といるような感じがする。


そう思うぐらい、今ではすっげぇ大事なダチなんだ。


なんか、懐かしいな・・・。


あの頃は、アホなことばかりやってたな。


健二と二人で・・・。


あの頃は、将来のことを考えたこともなかった。


ただ、自分の好きなことをやってた。


だけど、そこで大切な奴らに出会えた。


その一人が健二・・・。



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