運命のヒト
健二は、小学校からのダチで。

小学校、中学校とずっと一緒にいた。


悪いことも、いつも一緒にやった。


何でも言い合えるし、何でも分かり合える。


俺にとって、一番のダチ。


何でも分かり過ぎて苦しかったりもするけどな。


あの頃は、楽しかったなー・・・。


俺はいつも健二と一緒にいた。

それから、水嶋を好きになって、付き合って。

俺らはいつも3人一緒だった。


あんな日がずっと続くもんだと思ってた。



水嶋、元気でやってるか?

相変わらず、真面目に学校行ってんのか?

ダチと仲良くやってるか?

今、お前は心から笑えてんのか?



俺は・・・。

俺は、なんとか元気にやってるぞ!

毎日、毎日、仕事ばっかだけどな。


でも、俺は頑張れるんだ。


お前のことを想うと・・・。


お前と同じ指輪が今でも俺の右手の薬指にあるから。


今も変わらず、輝いているから。


俺はそっと指輪に視線をやった。

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