運命のヒト
俺は、あいつらを見るのがすげぇ嫌で、一人で遠くを見ていた・・・。

二人が話してることは気になるけど・・・。


でも、山田達もおるし、まぁ、たいした話じゃないだろうと勝手に決め付けていた。


少しして、背後に人の気配がして、俺は思わず振り返った。



「うわ!なんや、お前・・・。
 びっくりするだろうが!!」

俺の真後ろに暗い顔の健二がいた。


「・・・・・って言われた」

「はぁ?」

健二が何を言ってるのか分からなかった。


「桃子に、もう桃子って呼ぶなって
 言われた。
 これからは水嶋って呼べって・・・。
 それに、あいつ俺に自分のことあんまり
 構うなって・・・」

「俺の言うたとおりだろ?
 お前もこれからあいつのこと水嶋って
 呼んだらいいんや!」


俺は、暗い顔をしてる健二のことが気になったけど、そう言ってやった。


健二が水嶋のこと桃子って呼んでるのがずっと羨ましかったし・・・。


つーか、桃子って呼ばれたくなかったし。


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