運命のヒト
「なぁ、水嶋がクラスの奴らから陰口
 叩かれてんの知ってるか?」

俺がそう言うと、健二は

「あ~、知ってるわ」

そう言った。


「俺な、陰口言うてる奴らシメようと
 思うんやけど。お前はどうする?」

「よし!俺もその話乗った!!」

俺が話すと健二も俺の話に食いついてきた。


元々、俺らはケンカばっかやってるし、クラスの奴らをシメるぐらい容易いもんだ。


「最近、ケンカもしてなくて体なまっとるし、
 ちょうどいいだろ!」

「そっすねぇ~。
 でも、本気ではやるなよ!」

健二にそう、釘をさされた。


それから、俺らは水嶋を守るために、出たくもない授業にも出た。

そんなことも知らないセンコウは、俺らが授業に出てることをすげぇ喜んでた。


しかも、これがよかったのか、俺らが真面目に授業に出るようになると、水嶋の陰口もなくなった・・・・・。



「ってか、陰口なくなってないか?」

「そうやな・・・」

「俺、すげぇやる気満々だったのによ~」

俺はそう言って拳をポキポキ鳴らして見せた。


「そのやる気を、勉強に向けろ!」

健二がそんなことを言うから、俺は爆笑した。


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